プラチナ認定インテグレーターのノバシステム様へ取材を行いました。

ノバシステム株式会社について
ノバシステム株式会社は、システムインテグレーターとして、創業当初より携わってきた「金融業界」だけでなく、「医療」「産業」と多岐にわたる分野でお客様のシステム開発及びサービスを展開しています。システムの調査企画フェーズから、要件定義、設計開発、完成までを一貫して請け負うことで、お客様の安心に加えてお客様の潜在的な課題を発掘し、根本的な解決を目的としています。また、その他にも技術力をもとにDX事業構築支援や自社プロダクトの開発提供も実施しています。
そんな同社は、システム開発における需要の高さや今後の可能性からPythonに力を入れ、独自の教育システムを構築してきました。現在ではデータサイエンス分野でのPython活用や自社システムの処理をすべてPythonで構築するなど、Pythonを積極的に活用しています。

企業情報
企業名:ノバシステム株式会社
URL: https://www.nova-system.com/
住所:
大阪本社:大阪府大阪市西区江戸堀1-3-15 新石原ビル9階
東京本社:東京都品川区大崎2-11-1 大崎ウィズタワー21階

◆インタビュー:
AIデザイン課 課長 阿部様
AIデザイン課 AI人材開発 リーダー 林様
AIデザイン課 データサイエンティスト 橋本様

会社で力を入れているビジネスについて教えてください。

 阿部氏)ノバシステムでは、現在「金融」「医療」「産業」など幅広いお客様のシステムインテグレーションを支援しています。特に今年から力を入れ始めているのが、DX事業構築支援です。これは、SalesforceやSAPといったパッケージツールの導入と企業の運用に応じたツールカスタマイズを行います。ここの開発にPythonを活用しており、エンジニアを増やすための計画も立てています。
一方で自社製品の開発にも注力しており、自社製品の受付システム「アイウェルコ」はサーバサイドの処理はすべてPythonを使っています。
Pythonについては、主力のシステムインテグレーション側でも利用をするケースが増えておりお客様からもオーダーがあるくらいです。

Pythonを使ったビジネスをご紹介ください。

林氏)当社では、AI案件に対応できる人材を育成するために2017年度からPythonに力を入れ始めました。当時は新規部署として、どういった技術や需要が出てくるか、というところからはじめて、データサイエンスの分野、画像処理の分野に特化していきました。
AI技術者のベースとなる技術の多くはデータサイエンティストが活躍をしており、その言語としてはRやPythonが利用されていましたので、汎用性の高さや分かりやすさという観点から、Pythonをチームの共通言語と定めて進んでいきました。自社製品の「アイウェルコ」では音声APIとの連動や顔検知、顔認証などの処理もすべてPythonで処理しています。

阿部氏)その他にも、Pythonを利用した画像解析技術を応用し、通行人を計測するWebパッケージも開発運用しています。システムインテグレーション事業の方でも確実にPythonを使った案件が増えてきておりますので、自社製品開発でのPythonの経験をシステムインテグレーション事業の方にも還元するようにしています。

Pythonエンジニアの育成方法を教えてください。

林氏)AI案件に対応できる人材を増やすべく、2019年から「データサイエンティスト育成プログラム」という社内研修を独自で構築し実施しています。この研修では、具体的なスキル目標として、AI技術の基礎からディープラーニング開発までの修得を設定しており、プログラミング言語としてPythonを採用しています。 研修の形式としては、半年~1年かけて、運営側が設定したゴールに向けて、各自のペースで学習を進めていくスタイルです。
現在の対象者は社内のエンジニアで、JavaやCOBOLなどのPython以外の言語を触っているメンバーになります。ですので、プログラミングの基礎は出来上がっているところからのスタートですが、この研修プログラムを実施したことでAI技術開発に対応したPythonエンジニアが育ってきている状況です。

阿部氏)Pythonの学習に関しては、内製した動画教材と演習教材をベースとして、認定試験の取得に必要な知識を固めていく、という進め方をしております。 動画はチームで作成しコンテンツ量としては7〜80時間分になりましたが必要な知識はすべて習得できるようになっていますし、教材終了後のアンケートで簡易テストをして理解度を計るようにしています。
AIやデータサイエンスがテーマになるため、Pythonスキル習得のゴールとしてPython3エンジニア認定の基礎試験、データ分析試験の取得はもちろんのことG検定や統計検定もマイルストーンに設定しています。
ちなみに、当社の育成プログラムはオリジナルですが、IPAのITSS+に準拠して設計しています。
プログラムを受講し、会社の方向性と社員の方向性を合わせていくため、社員側のメリットとして受講したメンバーへの優先的な案件アサインや、E資格のための有料セミナーの補助、スキル評価の還元なども実施しています。

橋本氏)このプログラムの受講の他にも、社内で年数回データサイエンスやデータ分析の勉強会を実施しています。更に社内部活として、 Kaggleのコンペに参加する活動もやっています。また、動画学習サービスの利用を会社として提供しているなどもありますね。

今後の展開や、パートナー紹介コーナーを見ている人に一言。

林氏) SIerとしての視点で見た場合でもPython技術者の案件が安定して増えています。またDX絡みの案件は「AI」というワードが必ずといっていいほど入ってきており、PythonでAI実装は当たり前といった印象を受けます。そのため今後は単にPythonを習得するだけでなくWeb、AI、組込といったプラスαの強みを持ったPythonエンジニアになることが必要だと感じています。

橋本氏)私たちがプログラム開発に取り組んでいるのも、Python技術者が増えてくれることがとても重要だと考えています。自分もPython使えそう、という状態にエンジニアがなってくれるとあとは時間とともに理解が深められると思っています。当社の部活でもそういった技術者を増やす活動をしていますが、何かうちに秘めた思いがあればやりたいことができる場を提供していますので、当社としてPython活用ができる技術者をしっかり増やしていきたいです。

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