Pythonエンジニア育成事例「株式会社リーディング・エッジ社」

「みんなのPython勉強会」開催企業が語る、Pythonエンジニア育成への想い

取材先企業:
企業名:株式会社リーディング・エッジ社
URL  :http://www.leadinge.co.jp/
住 所:東京都港区新橋4-1-1 新虎通りCORE 13F
担当者:エンジニア・キャリア・キュレーション事業部 取締役事業部長 岸 慶騎 様(写真中央)、エンジニア・キャリア・キュレーション事業部 先端技術部 部長 細川 康博 様(写真左)、エンジニア・キャリア・キュレーション事業部 技術部 川崎 拳人 様(写真右)

■Pythonエンジニア育成の先駆者、株式会社リーディング・エッジ社

株式会社リーディング・エッジ社は、C&Rグループの内の一社で、IT分野におけるプロフェッショナルなエンジニアの育成や派遣・人材サービスを提供している企業だ。

C&Rグループとは、主に各分野におけるプロフェッショナルな人材を育成し、人材サービスを提供しているグループである。東証一部に上場し、クリエイティブ系の人材に特化した株式会社クリーク・アンド・リバー社を筆頭に、医療、IT、法曹、会計、建築、ファッション、飲食、研究といった幅広い分野をカバーする連結17社によって構成され、抱える人材の専門スキルの高さに対する各業界の評価は高い。

株式会社リーディング・エッジ社は2000年に設立され、21期目を迎えた現在、Pythonエンジニアの育成に力を注いでいる。同社がPythonに力を入れ始めたのはここ4,5年のことだが、2015年5月から、「みんなのPython勉強会」を毎月開催し、先日ついに42回目の開催を迎えた。同会はPythonエンジニアを目指す人ならば誰でも知っている有名コミュニティに成長し、現在ではconnpassでの登録者は4400名を超えるほどの大規模なものになった。参加者はそれぞれ、Pythonの勉強仲間や転職先、案件探しと目的を持って行動しており、コミュニティの場は毎回活発なやり取りに溢れている。

取締役事業部長 岸 慶騎氏

エンジニア・キャリア・キュレーション事業部 取締役事業部長 岸 慶騎氏は次の様に語っている。

「私自身も音声認識や自然言語処理を長年やってきました。4年前の当時からなぜPythonだったかというと、会社のコアとなる特長を創ってゆくためにも、当時主流だったRubyやPHPなどのプログラミング言語推しでは面白くないなと感じていました。ちょうどその頃、AI・人工知能技術が実用化され注目を集め始めており、一部の先進的な人たちがPythonの濃いコミュニティ活動を始めつつありました。機械学習なら私自身にも馴染みがあり、そこで会社の方向性として、いち早くPythonエンジニアの育成を手掛け始めました。活動をしていく中で、育成推進協会の立ち上げを知り、協賛のお声がけをしました。現在は東大の辻真吾さんにも顧問になって頂いて、一緒に本の執筆や、社員エンジニアがすぐ質問したり、スキルアップの仕方そのものを学べるようになっています。」

■顧客は大手企業ばかり、エンジニアが成長できるPythonプロジェクトが豊富

Pythonエンジニアの育成におけるパイオニアと言える同社だが、どのように教育を行ってきたのだろうか。

同社ではエンジニアを非常に大切にしており、各人の成長のために、きめ細やかな支援を行っている。そもそもIT業界で派遣と言うと、シビアな環境に置かれることも多く、体調に不安を来たしながらも無理に業務を継続し、体調を崩してしまうエンジニアは少なくない。また、自身が掲げるキャリアプランとの乖離によるストレスや、プロジェクトの偏りによる就職先の選択肢やスキルが狭まってしまうということもよくある話だ。同社の場合、そうしたことが起きないよう、各エンジニアのキャリアプランや成長度合いに即した配慮を行い、また、無理な人材確保や、エンジニアに良い影響を与えない顧客からの要望をお断りすることもあるという。これによってエンジニアは会社に守られていることを感じることができるからこそ、安心してキャリアアップに励むことができるのではないだろうか。こうした土壌について、岸氏は次のように語っている。

「当社の一つの方針として、仲介ブローカーみたいなことは一切やりません。ITのSESには確かに悪い面もありますが、メリットもたくさんあります。ITエンジニアを右から左に派遣するのではなく、いかにエンジニアのキャリアプランを一緒に考え、5年先10年先までそのスキルアップで年俸を上げるために何をしてあげられるのかを考えています。

我々はいち早くPythonに特化したおかげで、一部上場企業を含めた大手のお客様ネットワークの中からも、Pythonの仕事をたくさんいただけるようになっています。例えば、Python未経験の若手で、経験値を上げたいという人にも、当社のPythonベテランエンジニアと一緒にチームでPython案件に就いてもらい、実務経験を付けてもらいます。プロジェクトがひと段落した後、自社に戻り、自社開発に携わることもできます。現在開発中のPLUTOもその一つです。自社開発のコアのところを担当するには未経験では抜擢しにくいのは事実です。選ばれる人になるためにはSESが最適な場です。」

■Python試験合格者続出、秘訣は社員間の情報共有と正当な評価

こうした環境はエンジニアの成長の後押しとなることは一目瞭然だ。Pythonエンジニアの育成においてもその効果は発揮し、順調にPythonエンジニアとしての成熟が進んでいる。資格取得においては会社としての施策も必要ということで、その取り組みについて岸氏はこう教えてくれた。

「もちろん、やはり当初は反発がありました。去年の12月末までにスキル認定試験を受け、合格した人に金一封というキャンペーンを張り、マネージャー層はもちろん強制で、全員スキル認定をとれー!とやりました。対策勉強会を実施したり、合格した人が教えあいをしたり、勉強方法をチャットで共有をしたり。そうやって現在では40名程が取得しています。営業部のメンバーも取得したのを見て奮起しているメンバーもいるようです。こうしたスキル認定試験に合格した人が、いろんなチャンスを掴んでいるというのを他の社員に見せていくのが大事だと思っています。合格した人は評価を上げるし、やりたい仕事に就けるようにするというのを見せることで、良いサイクルが回ればいいなと思っています。Pythonは笑顔を作るのにいい言語ですね。」

実際、取得したエンジニアがPythonの案件を勝ち取り、顧客先で高い評価を得ている。また、顧客からの要請によってPython勉強会の講師のような役割を担うこともあり、新たな経験を積んでおり、今後の展開に希望が持たれている。

■エンジニアのためのマッチングサービス「PLUTO」、Pythonで開発

そんな同社では現在、Pythonで開発された仕事紹介システム(マッチングサービス)「PLUTO(プルート)」の開発に力を入れている。一般的なマッチングサービスとされているものは、検索機能が充実しているだけであることも多く、検索された求人情報が要求する技術力に対して、年齢や報酬が見合っていないことも多い。そのため最終的に人手を介して判断をすることになるが、PLUTOはそういったものとは全く異なるアプローチの新たなマッチングサービスだ。

同社が顧客からSESの依頼を受ける際、各社の担当者からメールで依頼書を受け取るが、内容は各社それぞれの書式や文調となる。また、エンジニアのスキルシートも同様で、記述方法や情報の粒度がそれぞれ異なっている。PLUTOは、そうした様々な非定型の書面に対して自然言語処理技術により、定型的な構造データへと落とし込み、データベース化させる。さらに、SESとしてサービスを提供してきた過去3年間に蓄積した25万件のデータで学習モデルをつくることで、案件に対してどういった人材が求められているのかを判断し、適切なマッチングを行うことが可能だ。今後は、エンジニアに不足したスキルを提案し、スキルアップの促進と市場価値の向上を目指す未来予測機能を取り入れていくという。

エンジニア・キャリア・キュレーション事業部 
先端技術部 部長 細川 康博氏

同サービスの開発の中心として活躍するエンジニア・キャリア・キュレーション事業部 先端技術部 部長 細川 康博氏は、これまで、かな漢字変換システムなど自然言語処理システムの開発、AIプロダクト開発に携わってきたという。細川氏は同プロジェクトについて次のように語っている。

「全部Pythonで開発しています。中核的な部分はすべて社内でゼロからフルスクラッチで開発しているということです。去年のPyConJPでは仕事情報の解析結果までを展示しました。現在は、人材情報の解析を手掛けていますが、他の機能についてはまだ構想段階です。次のPyConJPでは仕事情報と人材情報を用いたマッチングまでを見せられる形にしたいと考えています。」

エンジニア・キャリア・キュレーション事業部
技術部 川崎 拳人 様

また、大規模ソーシャルゲームのデータ分析経験を積み、分析に基づいた施策提案などを行ってきたというエンジニア・キャリア・キュレーション事業部 技術部 川崎 拳人氏は、最近PLUTO開発に携わり始めたというが、同プロジェクト以外にも取り組んでいるものがあるようだ。

「PLUTO開発へ携わり始めてまだ2週間ほどで、まだまだ勉強中です。その中で人材マッチングの枠組みを利用して書籍管理システムを社内で使うものとしてPythonで開発しています。」

最後に、岸氏はPLUTOがエンジニアに良い影響を与えてくれればとその想いを語ってくれた。

「エンジニアにこそ使ってほしいものだと考えています。自分が目指すエンジニア像に対して、いま何のスキルが不足しているのか、次にどの技術を習得するべきか、今後何に付加価値を付けるのか、ということを意外とわからず迷っている方は多いです。当社は人材サービスの一環として、スキルアップのための方向の決断と、継続的な学習の伴走者として、PLUTOがそのサービスの中核となればいいなと思っています。」

関連記事

  1. Pythonエンジニア育成事例「株式会社エム・フィールド」
  2. 株式会社エーピーコミュニケーションズ、9カ月で「Python3 …
  3. Pythonエンジニア育成事例「株式会社エルピス」
PAGE TOP