Pythonエンジニア育成事例「株式会社エム・フィールド」

株式会社エム・フィールドが1年で43名のPythonエンジニア認定試験合格者を輩出、成功の秘訣は何か

取材先企業:
企業名:株式会社エム・フィールド
URL  :https://www.m-field.co.jp/
住 所:東京都品川区東五反田1-21-13 ファーストスクエア五反田2F             
担当者:執行役員 エンジニアリングソリューション事業部 事業部長  蓮尾 真 様(写真左)、エンジニアリングソリューション事業部 課長  宮坂 賢一 様(写真右)

■金融系業務システムを得意とする株式会社エム・フィールド

エスティ・アンド・カンパニー株式会社グループは、IT事業を始め、人材紹介や美容、飲食、建築、演劇といった幅広い事業展開を行っており、それぞれの事業会社のトップには、その分野でのプロフェッショナルをスカウトして経営を任せている。そんな同グループの中で、IT事業の一翼を担っているのが株式会社エム・フィールドだ。

株式会社エム・フィールドは、キャリア支援・受託開発やエンジニアの派遣を主に行っており、金融系の業務システムを得意としている。それ以外に、ITコンサルティングや分析、Pythonで開発した自社ソリューション、スマートフォン向けデジタルスタンプサービス「HiTAP(ハイタップ)」などの開発・提供をしている。

そんな同社では、これまでJAVAをメインとして使った開発を行ってきたが、昨今の自社を取り巻く環境を鑑みて、今後の事業展開の中に、BIやAIといった分析系を施策に取り入れることになった。その手段として、当時注目が集まってきていたPythonに着目する。

執行役員 
エンジニアリングソリューション事業部 
事業部長  蓮尾 真 様

執行役員 エンジニアリングソリューション事業部 事業部長  蓮尾 真氏は当時のことを振り返ってこう語っている。

「当グループ自体、いろんなことにチャレンジするのが好きで、やってみたいことを言うとやってみようかというノリでできる会社です。もともとJAVAをメインとしてやってきましたが、1年くらい前にBI、AIなどの分析系を攻めていこうとなりました。その手段としてPythonエンジニアを増やすことを決め、去年からの1年間で、当事業部で70名中43名の取得が完了しています。」

■1年間で部署の半数以上が資格ホルダーに、Pythonエンジニア育成成功の裏側

1年間で5割以上が認定試験を合格させた同社だが、なぜそれが可能だったのだろうか。話を聞いていくうちに、同社のエンジニアを大切にするという社風が大きく影響しているように感じた。

近年、エンジニアの採用における環境は非常に厳しく、中途のベテランエンジニアの採用は特に困難だ。そのため同社では、エンジニアとしての経験が浅い若手を採用し、IT業界が求める人材としての育成を推進する社内ラボ(https://lab.m-field.co.jp/)を立ち上げている。この社内ラボでは、エンジニアの市場価値を上げると共に、競争力を上げるための育成カリキュラムのほか、先端技術や業界トレンドについての研究も行われている。また、現場でのOJTにも力を入れており、顧客案件には若手も含めたチームを組んで取り組むようにしているという。これは、先輩が後輩を教えていく仕組づくりという面があるが、それだけではない。同社ではエンジニア個人のキャリアプランの実現を会社として支援しており、各個人が数年後、どのようなエンジニアになりたいかという目標を立て、その実現に必要な経験を積めるようなローテーションを組めるようにしているのだ。これは育成面でのみ有用というわけではなく、人生のターニングポイントにおいても有効で、各個人の家庭事情への配慮も可能としている。これ以外にも定期的なストレステストや、定期的なキャリアプランの見直しによるミスマッチの回避といった取り組みも行っている。こうした仕組みがあるためか、同部からの離職者は4%程度というIT業界としては非常に珍しい企業となっている。

エンジニアリングソリューション事業部 
課長  宮坂 賢一 様

■JAVAからPythonへ、エンジニアの反発とブランド力

こうした社風とはいえ、JAVAからPythonへと舵を切った時にはやはり反発はあったという。エンジニアリングソリューション事業部 課長 宮坂 賢一氏にどのように説得したのかを聞いてみたところ、こう回答をもらった。「Python資格取得の取り組みを始めた当初は、『今Javaで食えているのに、なんで今更新しい言語を覚えなきゃ…』というような反発意識を持った人は少なからずいると思いました。なので、勉強会を行う前段で、スキルチェンジについてのマインドを変えるような話をしました。『Javaをやっている人も、過去はVB(C/S)からスキルチェンジしましたよね?』というようなものです。」

こうした説得が功を奏し、徐々にPythonエンジニアを増やしていくことに成功した。近頃公開したPythonに関するエンジニアブログの影響もあってか、Pythonでの開発を希望する顧客からの問い合わせが増加し、実際、大型案件の獲得やパートナー契約の声が掛かり始めているという。

実際に収益に結びついていることもあり、同社としてはPythonエンジニアの育成に非常に満足しており、同時にJAVAエンジニアのスキルチェンジにつながったことで、エンジニア個人のブランド力の向上につながったとも感じているようだ。

■Python市場への期待度大、今後も育成に力を入れていく

今後のPythonへの取り組みと育成方針について、蓮尾氏と宮坂氏は最後に次のように語ってくれた。

「提案の中でPythonの名前を出すだけでOKとなることが多く、どんどんPythonエンジニアが欲しいという要望を頂くこともあり、いい流れになっています。実務がなくても認定試験ホルダーだよということで安心して受け入れてもらえたりします。そこまでハードルが高くない認定資格だとは思いますが、市場ニーズに対する供給が追い付いていないので、お客様に喜んで頂けますし、自社でエンジニアを育てたいということで一緒にやってくれないかというお声がけを頂いたりすることもあります。

これからPythonでのデータ分析用の資格が新たにでき、佳境になってもらえれば、よりPythonエンジニアの価値が上がるので、有利に働くと考えています。今後拡大する領域であることは間違いないので期待感を持っています。

実案件ではネットワーク知識と自動化(Python)のスキルの両方を持ったハイブリッドエンジニアが求められています。そのニーズに応えられるように学習用の環境構築方法や学習コンテンツの作成を参画メンバーと行ない、ラボで育成してから現場に送り出すスキームを確立していきたいと考えています。」

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