2025年4月22日(火)、当協会の認定スクールであるTop Out Human Capital株式会社が当協会の認定スクールであるTop Out Human Capital株式会社が、「Pythonスキルを実践で活かす!企業が求めるエンジニア像と学習のポイント」と題したオンラインセミナーを開催し、当協会代表理事の吉政忠志が登壇しました。
近年、Web開発、データ分析、AI、自動化など幅広い分野で活用され、Pythonエンジニアの需要が急速に高まっています。
本セミナーには当協会代表理事の吉政が登壇し、企業が求めるPythonスキルの最新動向や、効果的な学習方法、Python3エンジニア認定実践試験の活用法などについてお話いたしました。
また、Top Out Human Capital株式会社からは、実務で即戦力となる人材を育成するためのトレーニングプランを紹介いただきました。
本稿はセミナーでの講演概要をまとめたものです。興味がある方はご一読ください。
■Python人材育成の最前線~企業が求めるスキルと認定試験の活用法~
講演者:一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事 吉政 忠志
1)Pythonの市場価値と求人動向
直近の日経XTECHの「プログラミング言語利用実態調査2024」によれば、Pythonは普及率と使用頻度において2年連続で2冠を達成しており、また、TIOBE人気プログラミング言語調査でも1位を獲得しています。さらに、未経験者におすすめのプログラミング言語調査では1位、将来性が高いプログラミング言語調査1位、学生がいま使用している言語調査1位を獲得しています。
さて、PythonはAIというイメージが非常に強いかと思いますが、最近の求人動向としてはWebが一番多くなってきています。これはコロナ禍のタイミングで非対面セールスの需要が伸びた結果、Web経由で質の高いお問い合わせを獲得したいというものや、DX推進において、マーケティングシステムと連携させ、一気通貫で管理をすすめたいと考える企業が増え、Webの強化に至ったからだと考えています。
2)企業が求めるPython人材像
Python自体はAI・機械学習やWebだけでなく、ビッグデータやデータ分析、ITインフラ、業務の自動化と様々な分野で中心的に使われており、今後も発展が期待される言語です。そのため、Pythonの人材として期待されるものを一言で表すことは難しいのですが、Python+専門技能+現場知見を持つ人材が求められていると考えられます。
Pythonはあくまでもプログラミング言語で、基礎的な部分を担い、多岐にわたって有効な技術です。最終的に人材育成に向かうのであれば、社員の方向性と、会社の方針に合わせて深めていくのが求める人材像という形になると思います。最近では新人研修でも学ぶようになっていますが、Pythonにはフレームワークやライブラリが豊富であるため、まだ会社としてもどう扱うかにブレがあるようです。この辺りは外部の顧問への相談や実案件を基に、会社ごとにルールを決めていくことが多いようです。
Pythonが多くの場面で使われるようになってきているとはいえ、Pythonだけでシステムを構築しているケースはあまりなく、複数の言語で組み合わさっているものがほとんどです。そのため、Pythonしかできないエンジニアでは活躍の場が狭まってしまいます。これまでも言われてきた通り、一つの言語を深めた後に、他の言語に横展開していくのがいいと考えています。
新人の方の場合、プログラミングをしたことが無い方は多いと思います。その場合は、まずはPythonを極めた後に、実務経験を積みつつ、他の言語に手を伸ばされるのが早いのではと思います。
Pythonが活用される各分野での注目ポイントは次の通りです。
AI・機械学習:近い将来、AIや機械学習は何らかの形で大半のシステムに使われる可能性が高い
ビッグデータ・データ分析:データを活用できることが企業の差別化につながる
ITインフラ:収益強化にインフラの自動運用は必須
自動化:日本企業の雑用は35%を占めており、業務の自動化は収益強化において必須
Web:画像、CSV、Excel、PDFに対する処理の評価が高く、Pythonを活用したWebも増えている
3)育成のコツ
Pythonは保守性が高く、学びやすいと言われますが、これはルールに則ったコーディングをされる方が多いことが大きく影響していると思います。新人研修においては、「Pythonic」や「Python Zen」を一通り読むようにして頂けると良いと思います。
また、Python実践試験は、仕事で使うならここまで抑えて欲しいというものを問う試験です。企業で必要とするPythonのスキルセットが網羅されていますので、Python人材育成の一つの物差しとして活用頂ければと思います。
4)Pythonの活用事例について
使用頻度・普及率で2年連続1位を獲得するほど昨今はPythonへの注目度が高まっており、IT企業にPythonのエンジニアが会社に一人もいないというのはないのではと思えるほど、試験の受験者も大幅に伸びています。
最近のIT系の事例ではどこかしらに大抵の場合、Pythonが使われているように思います。
やはりPythonの人材がいるところには案件がくるはずなので、案件が少ないのであれば育成を進めることをお勧めします。とくにAIやデータ分析、Web、自動化の案件ではPythonが欠かせません。
なお、Python人材の育成において当協会の試験を活用頂いている場合、認定インテグレーターに登録いただく事が可能なので、外部に向けてアピールに利用頂けるかと思います。
具体的な案件事例については以下の記事をご参考にしてみてください。
億単位の開発プロジェクトで採用進むPython、その実態は?|マイナビニュース
5)Python3エンジニア認定試験と学習のコツ
現在、各試験の合格率は次の通りとなっています。
基礎試験:77%(未経験者70%弱)
実践試験:55%
データ分析試験:85%(未経験者75%)
データ分析実践試験:72%
受験者分布は学生2割、プログラミング未経験者4割、経験者4割です。実践試験は経験者の割合が多く、C/C++、Java、.Netからの出身者が上位を占めています。
各試験の詳細や出題範囲についてはリンク先をご参照ください。
- Python 3 エンジニア認定基礎試験
- Python 3 エンジニア認定実践試験(例題あり)
- Python 3 エンジニア認定データ分析試験
- Python 3 エンジニア認定データ分析実践試験
- PythonZen & PEP 8 検定試験(無料)
各試験は元々、主教材を記憶して試験を受けてもらうような内容にはまっておらず、実際に手を動かしながら学んで得られた本質を問う問題が多くなっています。そのため、体系立てて学ぶという意味では書籍が一番ですが、講師から指導を受けて実際に書いたものをチェックしてもらう形(研修やハンズオン)で学習をすすめた方が、ノウハウが学べるだけでなく、記憶にも残りやすく、短期間で効率的に学ぶことができます。
実際、2022年に基礎試験とデータ分析試験の受験者に取ったアンケートでは、認定スクール等で研修を受けてから受験された方の合格率は最も高い82.8%でした。書籍のみで学習された方が71.1%、動画のみの方が25.6%、社内勉強会などその他の方法で学習された方は39.8%でした。
- 実践試験に関して
実践試験は実務で使用する仕様とライブラリの内容が入ってくるため、基礎試験と比べ内容がより高度なものとなりますので、記憶する方法よりは手を動かして学ぶことがより重要なポイントになります。そのため、研修を利用する方が最も効率が良いと言えます。
なお、実践試験を受験された方の傾向として、後半に行くにつれ、得点が得にくくなっているようです。
実践試験自体の出題範囲は広くなっており、全体的に網羅する必要があるため、後半の学習が間に合わない方が結構多いようです。
認定スクールであるTop Out Human Capital様は、人材育成において老舗であり、実績やお客様の評価が高いスクールになりますので、おすすめです。
参考リンク
Python3エンジニア認定実践試験(Python実践試験)のご紹介
以下はお勧めのカンファレンスです。
・PyCon JP:日本で開催されるPythonの国際カンファレンス
・BP Study:開発全般のノウハウや開発者同士の交流
■Pythonエンジニアを即戦力化!トップアウトの実践的なPythonトレーニングシリーズのご紹介
講演者:Top Out Human Capital株式会社 エンタープライズ ラーニングソリューション部
シニアマネージャー 恒吉 宏冶氏
1)Python学習の悩み
Pythonは人気な言語であるため、書籍や情報が豊富ですが、それゆえ何から手を付けたらいいのか分からなくなる方も多いようです。そのため、まずは目指すものに対し、どのようなルートで学ぶのかをまずは決める必要があります。
その一つの道しるべとなるのがPython3エンジニア認定基礎試験です。基礎試験の学習で文法基礎を学んだ後、上位試験である実践試験の学習でPythonを実践的に使っていく上で重要な仕様やライブラリの使い方を学びます。
2)Python研修コース
当社はPythonエンジニア育成推進協会の認定スクールとして、プログラミングの考え方から学ぶ入門編をはじめ、基礎、応用・実践と段階に合わせたトレーニングを提供しています。
・基礎試験向け:初級・中級編2日間
・実践試験向け:実践編3日間
・データ分析試験向け:2日間
また、ネットワークやサーバ管理、画像認識などのより先の専門的な分野に進むためのコースも用意しています。各コースの詳細はリンク先をご確認ください。
https://www.topout.co.jp/certifications/python
研修は教室での受講だけでなくオンラインにも対応しています。オンラインは教室での講習と同時配信となっており、質疑応答が可能です。
教材は電子テキスト(実践編は市販本配布)に加え、実際にPythonのプログラムを動かせられる演習環境(オンラインラボ)を提供します。基礎試験・データ分析試験コースのみ、Webシステムでの模擬問題(Let’s Check)をご提供します。受講後のフォローアップとして3か月間メールで質問を受けることも可能です。
3)新コース「Python実践編」
実践試験主教材であるPython実践レシピを配布し、演習環境を活用しながらトレーニングを実施します。
3日間かけてすべての章を網羅します。
本コースは、従来当社が実施していた応用分野別のネットワーク編、サーバ編、自動化編、データ分析編に対し、応用分野を問わず、横断的にPythonの豊富な標準ライブラリを学ぶことになります。また、各コースで学ぶライブラリと組み合わせて使用する方法も学ぶことで、効率的に実力をアップさせることも可能です。
4)まとめ
Pythonを学習する上で、何から始めるべきか、情報をどう得るべきか、効率的に知識・スキルを取得するにはどうするか、教えられる人が見つからないといった悩みを抱えている方は多くいます。それに対して、Pythonエンジニア育成推進協会が提供する各試験は学習の目標にしやすく、実力を客観的に証明することができるため、道しるべとしておすすめです。
能力の客観的な証明となった話として、実際、Python3エンジニア認定試験に合格したことをSNSに掲載したところ、友人から仕事のお誘いを貰ったことがあります。
また、PythonはDX推進にも有効です。当社では、Pythonを使って、受講者アンケートの集計作業を自動化させており、人件費の有効活用とサービス品質の向上に成功しています。これを実現するのに必要な知識は、初級編、中級編、実践編、ネットワーク編、サーバ編、自動化編で学ぶことが可能です。
当社は、経験豊富なトレーナーが、充実した教材と実際の業務知識を活かしたレベル別トレーニングを行うことで、現状から高みに登りたいと望む受講者様に対し、効果的な学習を支援します。