【セミナーレポート】Python基礎試験の合否状況・学習方法・試験に受かるためのコツ

2025年4月23日(水)、「Python基礎試験の合否状況・学習方法・試験に受かるためのコツ」と題したオンラインセミナーを開催いたしました。

Pythonは、日経xTECHのプログラミング言語の普及率と使用頻度に関する調査(2024年11月)において、2冠・2連覇を達成しました。また、TIOBE人気プログラミング言語調査(2025年1月)においても1位を獲得しています。

そして、当協会のPython 3 エンジニア認定試験はPythonを学習する際の指針として高く評価されており、経済産業省ガイドラインITSSに登録され、厚生労働省の給付金指定資格にも認定されました。

本セミナーでは、当協会が提供する4つの試験の内、Pythonの文法基礎を問う、Python3エンジニア認定基礎試験の学習方法を解説しました。セミナーは定員を拡張するほど多くの方にご関心をいただき、当日も非常に多くの方にご参加いただきました。

本稿ではセミナーの概要を記載いたしました。興味がある方はご一読ください。

■Python基礎試験の合否状況・学習方法・試験に受かるためのコツ

講演者:Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事 吉政忠志

1)Python市場と求人

当協会が提供している試験は、経済産業省ガイドラインITSSに登録され、厚生労働省の給付金指定資格にも認定されました。

また、日経XTECHでは、Pythonは普及率と使用頻度において2年連続で2冠を達成しているのに加え、TIOBE人気プログラミング言語調査でも1位を獲得しています。さらに、未経験者におすすめのプログラミング言語調査での1位、将来性が高いプログラミング言語調査1位、学生がいま使用している言語調査1位を獲得しており、その注目度の高さがうかがえるかと思います。

これまでAI分野での利用が注目されてきたPythonですが、実はここ5年ほどはWebでの利用が増加しており、それに伴い、Web分野での求人も増加しています。

この背景にはコロナ禍のタイミングで非対面セールスの需要が伸びた結果、Web経由で質の高いお問い合わせを獲得したいと考える企業が増え、Webの強化に至ったからだと考えています。また、DX推進において、Webから得たお問合せをMAや販売管理システムなど連携することで、一気通貫して管理したいという要望も増えており、その結果、特にDB連携に強いDjangoを利用する案件が増加しています。

これからPythonエンジニアとして仕事を探されようとしている方については、案件が増えている分野で探すことが一番早いのは確かですが、AIやデータ分析、自動化、Webのどの分野であっても現場で必要な専門的な知見はそれぞれで異なるため、自身が持つ知見と難易度を含め、やりたい方向を模索されることをお勧めします。

2)企業が求める人材像

最近では企業の新人研修でもPythonが取り入れられることが増えていますが、実際のところPythonを含め、どれか一つの言語だけができる人材では、その先の仕事の広がりが狭いため、企業が求める人材像としては遠くなります。そのため、何か一つの言語を極めた後、他の言語を習得され、複数の言語が扱える人材の方が求められるかと思います。初心者の方であれば、Pythonを習得した後に、他の言語を学ぶという順番で問題ないでしょう。

なお、当協会の実践試験は仕事で使うならここまで抑えていて欲しいという部分を取り入れた形で教科書と試験に取り入れています。ここで学べる内容を一通り押さえておけば、どこに行っても問題ない範囲で学ぶことができます。

3)Python3エンジニア認定試験について

各試験の詳細や出題範囲についてはリンク先をご参照ください。

現在、各試験の合格率は次の通りとなっています。

基礎試験:77%(未経験者70%弱)

実践試験:55%

データ分析試験:85%(未経験者75%)

データ分析実践試験:72%

受験者分布は学生2割、プログラミング未経験者4割、経験者4割です。他言語経験者の場合は、C/C++、Java、.Netからの出身者が上位を占めています。

3)基礎試験について

文法基礎を問う内容になっており、体系立てて学ぶことで合格できるような内容になっており、受験者からは割と素直な良い問題だと評価いただく事が多くなっています。

出題範囲等の詳細は上記のリンク先からご確認ください。

受験者の得点分布は、学習時間が足りなくなってしまうのか、8章以降を落としがちな方が多くなっています。最後まできちんと通して理解していただきたいと思います。

4)基礎試験の学習方法について

基礎試験はチュートリアルを主教材としていますが、チュートリアル自体の解説はあまり多くありません。そのため、特に初心者の方が学ぶ場合は、チュートリアルは最初確認程度に抑え、解説が多い公式問題集から学ぶ方がスムーズかと思います。

試験に合格できればいい方であれば、問題集を読み、模擬問題を解いてみてください。その後、苦手な分野を動画や書籍で学び補ったあと、改めて模擬問題を解いて合格できるという感触を得るまで繰り返してみてください。

きちんとコーディングの基礎力を高めてから合格したいという方は、認定スクールの研修を受講してしっかり身に着けるようにしてください。

補足)学習方法に関する注意点

2022年に基礎試験とデータ分析試験の受験者に取ったアンケートでは、認定スクール等で研修を受けてから受験された方の合格率は最も高い82.8%でした。書籍のみで学習された方が71.1%、動画のみの方が25.6%、社内勉強会などその他の方法で学習された方は39.8%でした。

研修と書籍の合格率が高い理由としては体系的に最後まで学ぶことができるためです。特に研修の場合は疑問点をその場で講師に聞くことができるため、理解を深めやすくなります。

動画に関しては、書籍で引っかかった部分や苦手な部分を確認するために見られる方が多くなっていると思います。それ自体は問題ありませんが、内容の信頼性には注意が必要です。

というのも、お話されている方が通常利用しているプログラミング言語の記法が解説に反映されていることが多く、実際には●●言語風のPythonになっていたというケースがありました。そのため、動画を選ぶ際には解説者がどういった経歴の方なのかを調べてみるなど、注意が必要です。これは書籍に関しても同様です。

また、社内勉強会に関してですが、これだけでは体系的に学ぶには不足している可能性が高いと思いため、社外での研修を受けられるなどした後に、試験対策として社内勉強会を開かれるのが良いかと思います。

5)コラムなどの学習お役立て情報

当協会では、顧問理事 寺田さんによるコラムをはじめ、技術者向け、非エンジニア向け、人事部向けのものを公開しています。興味がある方は以下よりご覧ください。

https://www.pythonic-exam.com/archives/category/column

また、個人的に参加して面白いと感じたコミュニティをご紹介します。

PyCon JP:日本で開催されるPythonの国際カンファレンス

Python Bootcamp

Start Python Club

BP Study:開発全般のノウハウや開発者同士の交流

各認定スクールが無料で公開している基礎試験の模擬試験もぜひ受験してみてください。

プライム・ストラテジー

ダイビック

ビープラウド

6)Q&A

Q.問題集を見ると、答えを覚えてしまって基礎が身についていることを証明できないのではないか?

問題集と似たような問題はでても、同じ問題はでません。問題も時折新しい問題を追加しています。

試験合格にはあくまで本質を理解する必要があります。

Q.生成AIも利用できると思いますが、何か学習法はありますか?

はやりのものをまず触っていただくのは一番だと思います。ただ本場は日本ではありませんので、海外のコミュニティに入って情報を得ることになるかと思います。そこで触れた情報を実際に試してみたり、学習する仲間を得て意見交換をしたりしながら、学ぶのが良いかと思います。

Q.問題集と違う問題が出て間違ってしまうのですがどうすればいいですか。

問題集そのままでることはありません。記憶して正解するという試験にはしたくありませんでしたので、本質を突いた質問を出すようにしています。本質を理解いただくのが一番です。

◆今後のセミナーについて

次回の開催は以下のページをご覧ください。興味がある方は是非ご参加ください。

https://pythonic-exam.peatix.com

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